小テーマⅠ「ふれあい松戸川事業」の課題解決に向けて<その2>

ふれあい松戸川事業の課題カバーイメージ

松縁会は、松戸市の「地域イメージ」(松戸ブランド)向上のため、江戸・東京、江戸川低地と下総台地の近接地という特徴を活かします

  • はじめに
  • “にぎわい”のあった頃の松戸   
  • 「陰り」の見えた松戸からの変化  
  • “にぎわい”を求めて-AIへの問い- 
  • 「ふれあい松戸川」の命名 

<はじめに>

松戸市が進める「ふれあい松戸川事業」は、水質保全や親水空間の整備を通じて、通年にわたる地域活性化を目指しています。冬季は行事も少なく、「にぎわいをどう持続させるか」が大きな課題となっています。冬季の「まつり」をはじめとする「ふれあい松戸川」の空間利用と松戸市街地との一体となった「地域のイメージづくり」の企画を提案します。
江戸川・ふれあい松戸川の自然と川を考えるシンポジウムに参加して - 松縁会HP)
松縁会(松戸をゆかりとする人の会)は、にぎわいのあった頃の松戸を取り戻すため活動をはじめましたが「ふれあい松戸川事業の課題」にも向き合っていきます。

“にぎわい”のあった頃の松戸

これまでに松戸の歴史上で“にぎわい”があったのは、次の時代とされています。

  • 先史(縄文時代前期)の頃、拠点的な集落のあった下総台地西端の「幸田(こうで)貝塚」
  • 中世に本土寺の開堂や小金城の築城があり、東葛地域の中心地
  • 近世には徳川家康の関東への配置換え以降、江戸に開かれた幕府の諸事業に伴う松戸の繁栄期。具体的には河川改修の「利根川東遷事業」によってもたらされた江戸川水運と街道整備による水戸街道沿いの松戸宿・小金宿の発展
  • 戦後の高度経済成長期における旧中部小学校跡地に建った伊勢丹デパートや常盤平団地に代表される、東京の近郊住宅地化

「陰り」の見えた松戸からの変化

遠くから視界に入っていた元伊勢丹デパートのランドマークとしての展望台が使われていない現実(2025.3.18現在)もありますが、新たな動きも出てきています。

松戸旧市街地は、店舗の閉店が目立った頃や伊勢丹デパートの撤退から、松戸駅改築工事や相模台地区の「新拠点ゾーン整備基本計画」推進などによって変化の兆しが現れています。

「江戸川に水辺空間 官民連携でカフェなど(松戸市)」のニュース
「ふれあい松戸川事業」について令和7年3月松戸市定例議会で取り上げられ、近ごろのニュースでも、『松戸市は、江戸川河川敷の「ふれあい松戸川」周辺で、水辺空間の活用に乗り出す』(「日刊建設新聞2025.4.17付け」)と報じられています。休憩施設やトイレ、オープンカフェなどが整備されようとしています。

“にぎわい”を求めて-AIへの問い-

私たち松縁会では、これまでの松戸をゆかりとする方々に「心の風景」のメッセージを求めています。人びとの暮らしに根付いた記憶や心情に刻まれた「松戸」にこそ、隠された良さや魅力のポイントがあると推し量っているからです。
 
“にぎわい”を求める前提として松戸市の特徴をあげてAIにも様々な問いを投げかけてみました。回答は、求めに“ずばり”の返答はありませんでしたが“あたらずといえども遠からず”でした。AIは求めに応じてある程度の回答を得ることができる、とわかりました。

私たち松縁会では、AIを活用して以下の問いを投げかけてみました

  • 松戸市「ふれあい松戸川事業」では通年のにぎわいを保つことにどのような対応策や企画案が考えられますか。
  • 松戸駅付近から江戸川界隈の風景・景観等についての特定場所の想い出、愛着、記憶、願い、夢など“心の風景”にはどんなメッセージがあるでしょうか。
  • 「ふれあい松戸川の課題」については、松戸の特徴と結びつく例示の「冬季松戸徳川まつり」にはどのような内容と手順がひつようでしょうか。
  • 「ふれあい松戸川の課題」については、松戸の特徴と結びつく例示の空飛ぶクルマをはじめとする新たな交通機関」の推進都市となって解決していくには、どのような内容と手順が必要でしょうか。
  • 「ふれあい松戸川の課題」について通年を通してのにぎわいを保つため、松戸の特徴と結びつく江戸川河川敷を利用した冬場のドローン活用の「冬季まつり」にはどのような内容と手順が必要でしょうか。

AI<Gemini>の回答(一部)
「江戸川堤とその周辺地区にゆかりのある人びとの記憶や心情には、かつて賑やかだった河川敷の記憶、子供の頃に遊んだ土手、家族と見た夕焼けなど、個人的な温かい思い出と結びついているかもしれません。
渡し船が行き交い、物資を運んでいた江戸時代の風景を想像し、歴史へのロマンや郷愁を感じる人もいるでしょう。」

友人・家族らと行動を共にする、江戸川堤からの視界に入る空間はどのようなものでしょうか?

太陽、星、月、山々、東京のビル群等の広々とした景観への認識そのものです。多くの人に共通する、人らしさのあふれる心情や情感につながる「認識」です。
松戸をゆかりとする人ならば多くの方が体験してきたことでしょう。
この場所・空間と時間を同じくする温かい想い出は「共通の認識」として自然な受けとめとなっていると思われます。
 
相模台地区の台地にある高層階建物等からの眺めは、いかがでしょうか?
 
同様に広く視界が開け、松戸駅周辺の市街地・江戸川・東京低地の家々・ビル群を見渡せることです。誰にもある視界の広がりを経験することです。
景観の残像が「地域のイメージ」として「共通の認識」になる“松戸らしさ”(松戸ブランド)を醸し出すと言えるのではないでしょうか。

AI<copilot>の回答(一部)
「松戸駅周辺の賑やかな街並みには、青春時代の思い出や、日常の生活の中で感じた温もりが宿っているかもしれません。
一方で、江戸川の穏やかな水面や土手の風景には、静かな時間の流れや、過去への郷愁が込められていることもあるでしょう。」

東京に通う学生やサラリーマンが多い松戸市民です。かつて松戸駅周辺の市街地にはデパート、スパーマーケット、映画館、喫茶店、居酒屋、パチンコ店等のにぎわいがありました。中でも映画館は松戸映画劇場、松戸常磐館、輝竜会館、松戸サンリオ劇場と4館もあり、活況を呈していました。現在は一つも残っていません。
 
東京都の葛飾区から国道6号線、JR常磐線を利用して江戸川を越えて松戸市へ。人びとの眺望は、江戸川河川敷の広がる流域へ。
 
東京低地の下町とされる雑然としたビル群・住宅地から抜け出た時の空間への認識はどのように刻まれるでしょうか。

画像
広々とした江戸川河川敷

松戸市にふさわしい“にぎわい”は、松戸市にかかわりのある人びとによって創造することにあると信じます。松戸市の「地域のイメージづくり」については、多くの人びとの「共通の認識」をもって取り組むことが重要ととらえています。

その「共通の認識」とは、松戸の特徴として古くから開けた“にぎわい”のあった歴史があり、江戸・東京、江戸川低地と下総台地の近接性を意識し、関心をもってほしいことです。(「松戸ブランド」の普及促進を願って ―補説 ④― - 松縁会HP)

この特徴を踏まえてAIの回答を参考に、「ふれあい松戸川事業」の課題解決に向けて「地域のイメージづくり」に資することに取り組みたいと準備を進めています。

「ふれあい松戸川」の命名

「ふれあい松戸川」は、流水保全水路として首都圏(東京、埼玉、千葉)の水道水源となっている江戸川の水を安全で良好な水質にするため整備されています。
この事業では、市街地を流れていた坂川は生活雑排水の汚れがひどかったため、河川水を下流へバイパスする水路の役割をもつとされました。
 
もともと坂川は、逆川(さかがわ)とも言われた利根川水系の河川でした。江戸期には低湿地のため洪水がしばしば起こり、周囲の村民間の争い、新田開発や開削などの苦難を伴う歴史がありました。このような人びとの歩みの中で昭和から平成の時代にかけてこの事業は、平成10年度に完成しました。
 
江戸川河川敷と坂川・開水路から成りたち、多くの人びとが関わり合う空間としてふさわしい河川は「ふれあい松戸川」命名がなされました。その目的は次の三つとされています。

  1. 都市用水の取水が安全にできるようにする
  2. 有害な物質が江戸川に流出しないよう未然に防ぐ
  3. 動植物の豊かな生息空間の創出を行う

完成年は1998(平成10)年度で、総延長:約6km(開水路区間:約2.5km 坂川区間:約3.5km(流水保全水路(ふれあい松戸川) | 江戸川河川事務所 | 国土交通省 関東地方整備局HP)

この「ふれあい松戸川」の空間は、下総台地と江戸川までの低地を流路としていた坂川と開水路です。きれいな水質の保全は、水路の整備だけでなく、人びとの暮らしと深く結びついています。

市民のみなさんの日々の生活や工場、商店などの企業関係のみなさんの営みも、目的をもって意識的に関わると意義深いと考えられます。
 
恵まれた自然に親しみ、広がりのある空間に身を置いた際の気分や、水路沿いの草木、水の色あい、水中の生き物、飛び交う野鳥に目を向けること等も、「ふれあい」に込められた意味もあると想像します。
 
商店をはじめ企業のみなさんも、「ふれあい松戸川」の空間を取り巻く市街地環境の一員でもあります。その関わりで市民の観察行動・イベント開催や浄化活動等を共に推進することや協業を含めた事業展開も想定されます。
 
「ふれあい松戸川」は、自然の織り成す作用・循環と市街地における人びとの暮らし等の自然的文化的な環境を身近に感じ、観察し、行動する場そのものでもあります。まさに人びとが継続的に進める「まつどSDGs活動」です。
 
ずっと昔に東京低地は「荒ぶる川」となって氾濫していた頃がありました。この付近には自然の堤防地帯もでき、「古ヶ崎」と言われるところや坂川の水門にあたる「樋野口」という地名の集落が“名残”となっています(「千葉県地名大辞典」)。
 
江戸川低地・市街地と下総台地の近接する場は、歴史を感じさせるこの地区・地域の “にぎわい”を創出するためにふさわしい空間のあるところです。にぎわいのある人の集まりは「まつり」にあると考え、次の小テーマⅡ仮称「冬季松戸徳川まつり」の構想を提案します。

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