「幸田(こうで)よさこい」見物記

9月14日(日)、松戸市北部に位置する幸田(こうで)自治会実行委員会の主催する「幸田よさこい」を見物してきました。

まつりの開始時間より少し早く会場に到着、最初に本部へあいさつに行きました。そして写真撮影の許可をお願いしましたものの、実行委員長はあいにく席を外されていましたが、本部の方が取次を気さくに応じてくださいました。

まつりは毎年9月第二土曜日、日曜日に開催されています。今年は45回の会を重ね、「幸田よさこい」を実施することも15回を迎えています(役員)。

アピールする「幸田よさこい」

会場の様子を見回すと、実行委員会のみなさんは事前準備に実によく取り組まれている、と感じました。写真の状況からもはっきりとわかります。

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会場設営

松戸市広報」に掲載された案内と「松戸警察署」への通行止め届け出申請・許可、キッチンカー要請、会場設営などです。

いずれも事前の要相談・要準備で、参加チームへの要請・折衝、早めの広報申し込みや警察届け出の申請・許可の手続きが必要です。

自治会活動の年間スケジュールに従って、実行委員会の役割分担が組織され、おそらく担当の実務に長けた方々が着実にその任を果たされています。

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松戸市広報2025.9.1号
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看板とキッチンカー

前日の13日(土)には公園中央の「やぐら」を囲み、盆踊りをはじめとするイベントが行われました。

だが、公園内外はきれいに整理・整頓。

12時過ぎには「よさこい」に参加するとみられる装いを身に着けたメンバーも集まり始め、各グループがそれぞれに陣を構え、徐々に華やいだ雰囲気に。

本部脇から少し離れた公園隅に前日のごみ置き場があり、その付近に立って公園の様子を眺めていました。

そこに大きなごみ袋をもって運ぶ整理担当の方が来られましたので、声かけをしてみました。

「昨日の様子はどうでしたか?」

「いやあ、例年とは異なり、『やぐら』の上に乗って踊りたがる子どもたちが多く、冷や冷やしていましたよ。やぐらが壊れるのではないか、と心配していました」

「そうですか。盛況だったのですね。」

「以前は年配の人がパラパラとした感じで、整然と踊っていましたが、昨日は雰囲気がぜんぜん違っていました。子どもたちの元気な姿を見られるのは、とてもいいね」

準備が整い、昼の時間でもありましたので、近くのコンビニへ。昼食を調達し、食べようとしたら「まつりのため、イートイン中止」の張り紙。幸いなことに台地の端にある木陰のところに「幸田湧水」のベンチ。

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「幸田湧水」とベンチ

コンビニのある低地から少し坂を上ると、台地の街路樹にはあんずの木。

この日は緑の美しい季節でありました。以前訪れた時には実をつけたあんずが生り、落ちた果実を集めている人を見かけました。
落ち葉集めもたいへんな作業で、毎年のように取り組まれている、と想像し、感心。

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あんず通り

その道路の先には通行止めされた「緑のトンネル」の会場。

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通行止めと「緑のトンネル」

午後1時より実行委員長・来賓のあいさつ、ガイドアナウンスでスケジュールの説明。

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プログラム

トッププログラムは、参加チームの「総踊り」。テーマ曲目に応じて、各チームのリズミカルな鳴子の響きに乗ってよさこい踊りの華やかなスタート。

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参加チームの総踊り

プログラムに従って第1回演舞の部では、10チームの参加。

順に各チームは自己紹介を兼ねながらのスピーチ、テーマ曲のもとに鳴子を手にしてリズムよく独特な彩りの衣装を身にまとって練り歩く。

ほとんどのチームが活き活きとした踊りのパフォーマンス。中には多種多彩な動きのある、エネルギッシュな踊りで沿道からの拍手。

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先陣チーム
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初参加チーム
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緑のトンネルと彩りのチーム
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幼子も踊り出す

プログラムでは第2回目の演舞に対して審査が入ります。

道路の中央に審査席が用意され、実施。どのチームも気を入れ直し、最高のパフォーマンス。

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道路中央の審査席

通行止めされた道路の会場設営には枝分かれのところに音響用スピーカーの設置。

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設置されたスピーカー

通行止めされた公園周辺の道路にも、警備用の着衣をしました担当者。

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警備要員の配置

演舞を目にするシーンもほとんどないと思われますが・・・・・・・・・。

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警備の役割

幸田自治会の魅力的な企画・運営

2日間にわたる「幸田まつり」と「幸田よさこい」の企画・運営。

おそらく年間を通して自治会活動の一大イベントと想像されます。
様々な自治会活動の内容は予想されますが、活動項目の中で、人手も費用も時間も労力など何もかもが一番に集中されていると思われます。

多くの自治会活動は各地で実施され、「まつり」も地域住民の交流を目的として取り入れられています。

しかし、「まつり」の位置づけとして“盆踊り・イベント他” と“よさこい”の“二本立て”は、他ではほとんど見られないのではないでしょうか?

「よさこい」導入と実際

第1回目の演舞終了後、あいさつを兼ねて、佐藤実行委員長にいくつかお話を伺いました。

「『幸田よさこい』を取り入れましたのは、いつごろからですか?」

「今年で15回目になります。コロナ禍では、実施できませんでしたが・・・・・」

「会長さんは“よさこい” をやられていたとか、などの経験はありました?それに自治会内にはチームはありますか?」

「いや、全然ありません。ただ、私は“まつりが大好きだから”、何とか取り入れてみたいと思っていました。」
「残念ながら自治会内にチームはありません。」

「そのような状況でどのように10チームほどの参加チームを集められたのですか?」

「各地の“よさこい” を見物に行きまして、代表者に参加依頼をしてきました。参加してくれたチームの人つながりでチームの紹介があり、折衝することによって参加をしてもらっています。」

その他にも、最初に取り入れようとされた時に自治会のみなさんの反応や、その後の経緯などを伺いたかったのですが、第2回の演舞開始時間になり、話が途中で終わりになりましたのはとても残念でした。

まとめ

それにしても、「まつり」45回、「よさこい」15回もの実績は、積み重ねてこられた幸田(こうで)自治会活動の実際を物語る、誇るべき地域の特異性を発揮している、と受けとめています。

これまでにいくつかの小稿を公表する中で、「幸田・小金地区」のテーマを取り上げてきました。

そこにおいて特異性のある地域資源があります、と紹介してきました。

まさに幸田自治会皆様方の「人材と自治会組織」「歴史と地域文化の継承」そのものです。

「特異性」の共通認識化で「地域イメージ」(松戸ブランド)の向上へ<その2>

見物させていただいた中で感じたことがいくつかありました。

まず、あいさつ後に伺いました前日の「やぐらに乗って踊りたがる子どもたちの多さ」の状況です。

今、学校ではダンスが授業で取り入れられるようになりましたので、好んで踊りをする子どもたちが増えていると思われます。
しかも、チーム・グループを組んで多数の観客を前にしてダンスを披露することが多く見受けられているようです。
これからに向けて子どもたちの活躍する機会・場の設定が求められていると感じています。

次に、演舞の際に自己紹介を伺った範囲でも「よさこい」参加チームは、朝霞市、さいたま市、三郷市、草加市、柏市、流山市などを拠点に活動され、幸田(こうで)自治会実行委員会主催の場を通して地域間の交流が行われています。

この結節地の役割・機能は松戸の担ってきた特異性と同様、と把握しています。

三つ目に、低地から台地に広がる幸田地区は、あんず通り・とちのき通りなど自然豊かな閑静な住宅地として東京近郊都市に位置付けられ、居住者の出身地も多様性が予想されます。

そういう中でイベント開催によって多くの皆さんが世代間・異世代交流を通じて協力し合っています。このような活動は、普段の生活では接点の少ない世代間のコミュニケーションを活発化させ、地域の絆を深める重要な機会になっているのではないかと感じています。

終わりに、地域外の者にとって残念に感じましたことは、意外にも見物人の少ない状況です。

おそらく「よさこい」15回の回数を積み上げてきましたことは見慣れたイベントとしての印象が強く残り、居住者の関心が薄れている状況なのかなと感じました。

変化のある光景が求められているのではないかと思います。

新たに子どもたちや若者たちの自由な発想や活躍の場を段階的に位置付けしていくことかなと考えます。これらはご多用の中では難しさを伴うと予想します。

しかし、実行委員皆様の企画力や組織力、協調性等を持ち合わせた活躍ぶりからすると、これからも自治会の活動はきっと人材の宝庫として次の段階に飛躍が期待されます。

保護者や親せきなど多くの関係者を巻き込み、協力を得て多数の観覧者・見物人として沿道に連なる光景を改めて繰り広げ、盛り上げる可能性を有していると思います。

よさこいや子どもたち・若者たちの踊りは、その華やかさ・元気さなどから多くの観客を魅了します。

地域のまつりで踊りを披露することは、外部の人々に地域の魅力を知ってもらう良い機会となります。

これらにより、地域外からの参加者やファンが増え、新たな人の流れや交流のコミュニティも形成される可能性が拡大すると思われます。

<石橋>

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