東松戸地域の魅力「グリスロ」

低地と台地のある東松戸地域には、自然と関わるスローライフを確立しやすいところがあります。他方、少子高齢化社会の多様な現実も目立っています。この課題解消に向けた動きに魅せられる一面も見られます。
本文「河原塚地区の『グリスロ』」よりAI作成<6分44秒>
はじめに -次世代へのつなぎ―
東松戸地域では山林・森のあるところに宅地化が進み、住宅街は坂道が多く、あちらこちらにあります。
急速に変化する現代社会にあって、人の目や手の入らない自然環境では、樹木の生い茂る山林や森のあるところに、宅地化が無秩序に広がることや、不法投棄のゴミ問題などを抱えています。
坂のある地形が広がるところでは、高齢者に限らず自立的な移動の困難な人にとってはつらい状況で、近くにコンビニなどのない地域には「買い物弱者」の問題などとして指摘されています。東松戸地域の河原塚地区においても同様です。
そのような現実問題もある中で、東松戸地域では、「地元住民と行政の連携、ボランティアの推進、市民活動の充実」が一体となった取り組みを進めています。
今回は、東松戸地域の魅力にかかわる事柄に視点をおいて、「次世代へのつなぎ」をする動きを取り上げています。
低地と台地の坂道のあるところに小さな電動車「グリスロ」が自治会・町内会の管理・運営とボランティア活動の皆さんによって運行されています。
この事業について松縁会で取り上げる理由は、東松戸地域の「里やま保全活動」との縁です。
低地と台地からなる東松戸地域の自然環境は、「スローライフ」と「高齢者の買い物弱者」など暮らしぶりの良否をもたらしています。
この小さな電動車「グリスロ」がどのような役割をもって河原塚地区において運行されているのか、さらにこれからの地域社会における持続可能な活動がどのように求められるか、の視点をもってまとめみたいと考えています。

河原塚地区の「グリスロ」
東松戸地域の河原塚地区は、東松戸駅の北西方向にあり、高低差のある地形に住宅地が開かれています。
道路は坂道の小路が多く、高齢者に限らず歩いての移動には困難を伴います。
そのようなところに小さな電動車「グリスロ」が自治会・町内会の管理・運営とボランティア活動の皆さんによって運行されています。
「グリスロ」とは、グリーンスローモビリティ地域推進事業のことで、松戸市の説明によると福祉部門で推進されていることに特徴があります。
グリスロ車両(時速20㎞未満で公道を走ることができる電動活用の小さな移動サービス車)は、高齢者の社会参加の促進、外出機会の創出に適しているとされています。
その使用目的は高齢者の孤立化防止や介護予防の推進、地域の活性化を実現するためのツールとしての活用です。
この事業について松縁会で取り上げる理由は、先に説明しましたように東松戸地域の「里やま保全活動」との縁です。

「東松戸地域の魅力」を取り上げた小稿の取材に協力いただきました方は、まさに「里やま保全活動」と「グリスロ」など二つ以上のことに関わるスローライフを体現されています。
ご自身が「グリスロ」運転士のボランティア活動をされている体験談や、市役所関係のホームページ・書類を通して、以下のようにまとめてみました。
東松戸地域の河原塚地区では、河原塚南山自治会が2019年より始まった国土交通省の実証調査「全世代型地域共生モビリティ実証調査with都市型介護予防モデル“松戸プロジェクト”」に率先して参加しました。
その後、河原塚南町会も加わり、現在は4町会に先立って二つの町会で運行されています。
運行は「河原塚グリスロ運営委員会」が組織され、東松戸駅方面、松戸稔台方面、八柱方面などのスーパーマーケットへの買い物送迎(月~土)や昼夜の防犯パトロール、イベント会場までの送迎などを役割とし、運行日誌の記録、車両整備なども行われています。
管理・運営は自治会・町内会に委託されています。運転士・補助員は講習を受けたボランティアの活動とされ、シフト調整の課題を抱えながら、利用者の送迎サービスを無料で実施し、帰りには玄関先まで送っています。
予約制によって乗車メンバーを決めているため、固定化の傾向があると言われています。コース運行外の防犯パトールやグランドゴルフのイベント運行などで周知の機会を広げ、宣伝に努めているとのことです。
「グリスロの運行」
この日(11.21)ヤオコー松戸稔台店行への予約数に空きがあるため、乗車の機会をいただきました。車両は8人乗りのうち運転手・補助員を除く6人乗りですが、乗客5人でした。
河原塚南山自治会館前10時30分発の「グリスロ」は、定刻通りに出発し、予定された河原塚町内の狭い小路を抜け、しかも坂道のある路地裏を選んで進みます。時速20kmの速度指定がされているため、原則、公道走行はしない、という決まりがあるとのことです。
そのため、途中でゴミ収集車や工事現場などの出会いには、すれ違い場所や迂回路の選定がたいへんとの声が運転士さん・補助員さん二人から口々に説明がありました。


ヤオコー松戸稔台店に着いた「グリスロ」は、前便で買い物を済ませた4人の大きな買い物袋を運転手さん・補助員さんが引き取り、後部の荷物置き場に乗せ、河原塚南町会方面へ向けて送りのコースへ。
帰路の途中、乗客それぞれの玄関先まで車を寄せ、ボランティアの二人が入り口まで運ぶサービスです。

車中で、乗客の方々が
「このグリスロの運行は助かります。自転車の利用もしていたのですが、坂もありたいへんで、とてもありがたいです。」
「この車内でみなさんと一緒におしゃべりができるのはうれしいね。ささいなことでも聞いてもらえる人がいると張り合いがあるので・・・・」
などと各々に感謝の言葉。
帰り際になって、荷物を下ろしてもらった乗客の方が、庭先で大きく実ったミカン袋を運転士さんに託しながら
「お世話になっているので、運転士さん、補助員さんや皆さんに分けてやってください」
とお礼を述べ、たくさんのミカンを提供してくれていました。
この「グリスロ」の運行は、河原塚南山自治会の会長さんをはじめとする方々が積極的に住民のみなさんに呼びかけ、賛同を募って行政に働きかけて実現してきています。
「河原塚グリスロ運営委員会」を組織し、ボランティアの力を結集して様々な役割をそれぞれに分担しながら運営しています。
買い物や外出などに不便を感じている多くの乗客がいることも事実としてある、と話題になっていると聞きます。
限定されがちな乗客にならず、多くの方々が利用できるよう、均等の機会を提供していくことが求められています。
コンピュータ・リテラシーのある方の力を借りるなど、なるべく多くボランティアの数を増やす努力や運営上の工夫が今後には必要になっています。
河原塚地区内の多くの方々がそれぞれにもつ各種各様の技術や趣味、資格などの技能を集めてデータ化することによって、地域社会内において“貸し借り制”もしくは“結いの方式”の活用化などを図ることも検討してみる意味があると思われます。
これまで河原塚地区の自治会・町内会は、理解と協力のある方々の集まりとして組織的なまとまりも確立されてきています。
そのために、「グリスロ」の運行は、将来、国土交通省の基準でレベル4以上の完全自動運転が可能になるまでの期間をどのように運営していくのかが「次世代へのつなぎ」として位置づけられている、と解釈することができます。
冒頭の生成AIはこれまでにのべてきましたことをもとに、松縁会事務局により手がけ、作成しました。
「プレゼン風」のシナリオによる普及・周知は、近い将来の東松戸地域のみならず、松戸市全域において不可欠となり、運行されることが必然化されると思われます。
そのために必要な組織作りや、ボランティアの皆さんをはじめとする人員確保、運営のノウハウなどの基礎データの蓄積は、多くの関係の団体や人びとが取り組む重要な役割・使命と理解します。
まとめ
東松戸地域の魅力を探して街を歩いてみました。
その結果、この地域には、「1日里やま体験会」「グリスロ」などの地元住民と行政の連携、ボランティア活動、市民自治活動などの場があり、一体となって未来に向けて「次世代へのつなぎ」を試み、「魅力ある動き」がありました。
「グリスロ」の管理・運行は、現在、行政と自治会・町内会組織、ボランティアの連携と協力によって支えられています。自立的な歩行が困難な方をはじめとする家族、地域社会にも有用な仕組みになっています。
近い将来、自動運転の小さい電動者が開発・普及され、運行が日常的に行われるようになると予想されます。そのようになりましたら、本地域で蓄積された管理・運営・運行のデータ・ノウハウは貴重な資料となります。
松縁会は、それらの動きを「松戸をゆかりとする人」の立ち位置から協働的に紹介・広報する役割を担い、ホームページ上の『松戸あれこれ』のコンテンツに「地域コーナー」の設置を進めています。
この事業企画・実践が松戸市の進める「まつどSDGs活動」の一環として展開され、「松戸市のイメージアップ」に連動し、役立つことを願っています。
<石橋>


