「ライフスタイル」と松戸の縁 ―スローライフ(?)とコーダ― ②

その9<石橋の補説>東松戸との縁:スローライフ(?)とコーダ
東松戸の地にライフスタイルの場を定められた藤田史郎さん。そのライフスタイルの樹立は音楽関連の海外生活とその後の行き来、ドイツでの森のある暮らしとノルディックウォーキングの趣味。昨今、その動きは東松戸河原塚に暮らしの地盤があり、一段と躍動されています。
東松戸河原塚地区は台地と低地にある住宅街です。近くには畑や森もある豊かな自然があり、地域活動の盛んなところです。自然と関わるスローライフも楽しむことができます。
東松戸との縁が自ずとスローライフを実践していたと気づかれた藤田さん。日々の暮らしぶりが忙しすぎて果たして「スローライフ?」と“オチ”をつけられた藤田さん。
いずれが“ホンモノ”なのか? 東松戸の魅力とともに藤田さんの「元音楽家としてのルーツを生かしたボランティア」を探ってみました。
ノルディックウォーキングのコース選びと東松戸の魅力
広大なドイツの森に親しんだ藤田さんはノルディックウォーキングで東松戸の魅力を発見しています。鍛えられた心身が国分川沿いの風景や災難の歩みに視覚と聴覚などを働かせています。松戸市和名ケ谷、国分川分水路のほとりにある展望台、慰霊碑の紹介です。
「国分川から溢れた水が分水路に流れ落ちるのですが、その際約40〜50mの見事な滝が出現します。それが小さなナイアガラ瀑布のようなので、勝手にワナガヤラの滝と命名しました」と本会コメント欄に投稿されています。

<メモ>2026.8.13~14日にかけての「令和8年8月千葉豪雨」
千葉県中央部、北西部を中心に江戸川・坂川流域でも短時間に記録的な降雨。道路冠水・住宅浸水が多数発生。一方、坂川の治水施設や市川市域にある国分川調節池緑地の働きは?“氾濫水量を大幅に減らす”重要な役割を果たしたと指摘されています。
同好会設立の「呼びかけ文」へ
国分川沿いの遊歩道や八柱霊園内などのいろいろなコースが1時間から1時間半程度の適度な活動量でコース選びがされています。これによる藤田さんの「ライフスタイル」が活躍の花を開いていきます。
途中、ゴミ散見への対応から「河南環境美化の会」との縁もでき、“国分川環境音頭”作詞作曲の担当。帰国後のまさに「音楽ライフ」にして最初に作られた歌で活動の幅が広がりました。「河南環境美化の会」との連携プレイです。
2014年には自治会関係者の要望も受けて「Nordic Walking(ノルディックウォーキング)へのお誘い」と題して回覧板で呼びかけ、積極的に同好会を立ち上げています。仲間の皆さんとともに東松戸地域内外をウオーキングする姿は今も続いています。周囲の方々には印象深い光景として映りますが、活動の継続には困難も伴っているようです。
今後こそ、健康増進、コミュニケーションづくり、地域発見などにふさわしい活動と位置付けられます。
森の空間と口ずさむ“野うさぎの森”
ノルディックウォーキングは、森を求める藤田さんの心を動かしました。「紙敷石みやの森」の畑で「野うさぎの森」メンバーとの出会い、歓迎され、森ボランティア活動の仲間入りへ。
ドイツの森が自由な出入りであったことに慣れた藤田さんは、「開かれた森」を求める個性豊かな仲間皆さんの活躍に共鳴しています。
近隣小学校校外活動の「野うさぎの森」訪問の際には、藤田さんの持ち味が発揮されています。子どもたちと一緒に歌をうたいたいとの思いから“野うさぎの森”を作詞作曲する音楽ボランティアです。
近頃、恒例行事として実施されている河原塚南山自治会夏休み子ども教室には、付き添いのボランティアの皆さんの中に若いお父さんや高校生2名の参加もありました。森の活動を知る、広める、つなぐ場として絶好の機会です。森の清々しい空間に、参加者の全員で歌う“野うさぎの森”の明るく、軽快で、さわやかな響き。

竹切りに挑戦した女の子や機材の片付けをする仲間がこの歌を口ずさむ、という話を聞いた藤田さんは、「作曲者冥利に尽きますね」と気持ちを述べられています。
「令和8年8月千葉豪雨」の後に実施された夏休み子ども教室では、倒木や枯れ葉の散乱状況などが見られました。他方、「解説」・「案内」では、森そのものがたっぷりと水をためる役割があり、市街地を守ることに役立っていることを目で確かめる場にもなりました。

ことぶき会ハーモニーの響き
ことぶき会の会長さんが藤田さんにコーラス指導者役を依頼したのは、次男のご家族と過ごされたアメリカからの帰国後でした。月2回の月曜日夜という時間帯は絶妙な設定と思われます。
昼の時間は、実年・熟年を含む中高年者には各自の多種多様な所用がありがちです。コーラスが好き、という人にとっては、目当てをもって都合をつけやすい時間帯と理解しました。10年以上、続いていることは、“ハーモニー”を大切している会員皆さんの活動実績そのものです。
ドイツ語のベートーヴェン第九“歓喜の歌”が歌えるまでになった皆さんは、「どれほどの達成感があったかはあまり表現されませんでした」との藤田さん。他方、「大コーラスの一員として大ホールで歌ったとしたら、それは感動するかもしれません。」とも述べられています。
「セニオーレンコーア」の大合唱団は実現していませんが、会員皆さんの中には他の合唱団の「第九演奏会」に加わってその醍醐味を実感されている方はどうか?と想像します。
音楽愛好者の活躍する場は随所にあると思います。今日では、きっと様々な場で音楽の楽しさを感じさせてくれる環境があります。“継続は力なり” と言われるほど、会員皆さんの楽しみ、活躍する場は各方面に広がる多様性のある社会と理解しています。
「音楽ライフ」のコーダへ ~「グリスロ賛歌」の推進~
台地と低地のある河原塚地区では、上り下りの坂道は暮らしに付いてきます。核家族化、少子高齢化社会の進展が言われ、高齢者のきびしい暮らしの実態が指摘されています。
このような状況で町会・自治会関係者と市役所担当者、識者などの連携により「グリスロ運行」による暮らしの改善が推進されています。
河原塚の暮らしに徐々に慣れた藤田さんは、「グリスロ運行」に協力したい意向をもたれました。2019年国土交通省における実証調査の開始以来、この地区が東日本最初の取り組みです。「グリスロ賛歌」の作詞・作曲づくりにあたっては、強い思い入れが込められています。
河原塚地区の暮らしに根を下ろしていることを表現し、曲のコーダにおいて「松戸の宝物」を強調される、というところです。去る6月、河原塚地区のグリスロ利用者が1万人を達成し、暮らしに根付いてきたことが報告されています。ご自身も週1~2回の運転士ボランティアで率先協力されています。

まさに地域の高齢者や運転補助員などの運行関係者、地区住民の皆さんと顔を合わせ、言葉を交わされています。日々の地区暮らしにおける交通インフラの推進役・「グリスロ賛歌」広報推進に貢献されています。

さて、これまでの藤田さんの「音楽ライフ」は、演奏者、財団関係者、作詞・作曲者、コーラス指導者、「グリスロ運行」・「グリスロ賛歌」推進者などの多彩な領域で躍動されています。
特にライフステージは、日本の音楽修練生活(第一ステージ)、ドイツに音楽留学、交響楽団ホルン奏者、音楽財団関係者としてヨーロッパ中心の「音楽ライフ(第二ステージ)」と「自由な森のある暮らし」、帰国後の東松戸河原塚における「介護と音楽等ボランティアのある暮らし(第三ステージ)」に特徴づけられます。
本稿は、松縁会(松戸をゆかりとする人の会)ホームページに寄稿いただいた『「東松戸地域の魅力」〜スローライフのすすめ〜を読んで思うこと』に関連したメール取材と回答、補説の最終テーマに当たります。
藤田さんは当初、東松戸の地域性も魅力も知らずのうちにスローライフを実践していた、だが、スケジュール上、様々な活動を進めてきたことが、「果たしてこれでスローライフ?」と寄稿文の“オチ”に笑いを込めて述べられています。
いずれも藤田さんらしい“スローライフ実際の有様”と受け止めています。
終りに、藤田さんの「ライフスタイル・ステージ」は、松戸市の都市景観と「地縁と人のつながり」にとってまさしく似つかわしい、と結論し、まとめとしたいと考えています。
なお、「音楽ライフ」の観点から、楽曲の終りに終結の効果を強めるために付け加える「コーダ」と同じように、第三ステージは地域活動にふさわしい躍動期と位置付けられます。
その躍動の有様は、事例報告のとおり地域社会づくりへの貢献ぶりです。地域の皆さんや同好・仲間などの求めに応じてご自身の持ち味などを十分に発揮されているからです。
藤田史郎さんや堀田重信さんをはじめとする河原塚地区関係者の皆さんには、松縁会活動に深いご理解と絶大なご協力をいただいています。厚く感謝の意を表します。
ありがとうございます。
<石橋>

